相続土地国庫帰属制度を利用し、山林を処分できるケース
相続土地国庫帰属制度を利用し、不要な山林を処分できることが考えられるケースをご紹介します。
不要な不動産を処分する方法は様々ありますが、どのように処分すればよいか分からないという方は
ぜひ、当事務所にご相談ください。司法書士がお客様に合った適切な処分方法をご紹介します!
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お客様の状況
相続手続きについてヒアリングさせていただく中で、相続した山を処分したいというご相談をいただきました。
処分を考えた理由は、ご自身が離れた場所で暮らしており、メンテナンスができないことや災害のリスク、固定資産税の負担を減らすためということでした。
当初は、不動産売却での処分を検討しましたが、価格が付かず・・・。
有償でも構わないから土地を処分したいとのことでしたので、
相続土地国庫帰属制度の利用をご提案させていただきました。
今回のケースでは法務局への申請にあたり、土地の要件確認や、申請の代行を行いました。
今回は申請にあたって必要な条件を満たしており、負担金の納付もスムーズに実施していただきました。
しかし、相続土地国庫帰属制度の特性上、土地が正式に引き取られるまで長い時間がかかります。
今回も、ご相談をいただいてから、土地が国に帰属する(正式に引き取られる)まで、1年半程度の期間を要しました。
不要な土地を処分するために
相続土地国庫帰属制度を利用するにあたって必要な手順は下記の通りです。
STEP①法務局に申請
まず、申請者が相続人であることを確認し、次に以下の土地条件を満たすことが求められます。
①建物の立っていないきれいな更地
②担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されていない土地
③道路や敷地内の共用部分以外の土地
④土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されていない土地
⑤境界の明確な土地、所有権の存否や範囲について争いがない土地
これらの条件を満たす場合申請することが可能です。
STEP②法務局担当者による書類・実地審査
法務局に提出する申請書類が受理されると、法務局の担当官が書類審査を行います。
必要に応じて、現地調査を行うこともありますが、当事務所では調査士を紹介させていただいております。
担当官が審査した結果、要件を満たしていないと判断された場合には、申請が却下または不承認となり、申請者に通知が届きます。
審査によって不承認になるケースは下記の通りです。
① 勾配が30度以上で高さが5メートル以上の崖がある土地。
② 土地の通常の管理または処分を阻害する工作物、車両、または樹木やその他の有体物が地上にある土地。
③ 土地の通常の管理または処分を妨げる有体物が地下にある土地。
④ 隣接する土地の所有者との争訟によらなければ通常の管理または処分ができない土地。たとえば、隣接所有者によって通行が妨害されている場合や、所有権に基づく使用収益が妨害されている場合などが挙げられる。
⑤ 通常の管理または処分にかかる費用や労力が多い土地。
STEP③負担金の納付・国庫帰属
申請が承認されると、その旨の通知が申請者に届きます。その後、10年分の土地管理費に見合う費用を計算して負担金の金額が決まり、負担金の通知が申請者に届きます。
負担金は原則的に一律20万円とされていますが、この金額は多くの例外がありますので、確認が必要です。
申請者は通知から30日以内に負担金を納付しなければなりません。納付期限を過ぎてしまった場合、承認が無効となる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
今回のケースからも分かる通り、相続土地国庫帰属制度の利用にはいくつかの障壁が存在します。
実際に相続土地国庫帰属制度を利用したいと考えていても、申請や、審査の要件を満たさない土地のため、
制度を利用できないケースも多くあります。
でも、ご安心ください。
当事務所では相続土地国庫帰属制度の利用以外でも不要な不動産を処分するためのお手伝いが可能です。
不要な土地を処分したいという方は、ぜひ一度ご相談ください。
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